【6月26日 CGTN Japanese】中国中部の河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)にこのほど、スイカの無人販売車が登場しました。スイカはトラックの上に整然と並べられています。添えられている段ボールには次のように書かれています。「孫娘が悪性腫瘍『神経芽細胞腫』にかかりました。スイカを売って治療費を稼いでいます。スイカは1個20元(約406円)です。家に戻って小麦の収穫をしてから、3日後に戻ってきます。スイカをお求めの方は、このコードをスキャンして払ってください」。トラックの上のスイカの価格は合計6000元程度(約12万2000円)でしたが、スイカの売り主は5日間で、スマホンのアプリ微信(WeChat、ウィーチャット)を通して、20倍以上の10数万元を受け取りました。

 スイカを売り出した朱さんは、今年73歳です。河南省開封市(Kaifeng)の出身で、3歳になったばかりの孫娘さんが昨年、悪性腫瘍の「神経芽細胞腫」と診断され、高い治療費に困っています。孫娘さんは今年になって医療保険に入りましたが、治療費には足りません。息子さんは出稼ぎに出かけ、息子さんの妻は病院で子の看病をしています。朱さんはなんとか治療費を稼ぎたいと思い、省都の鄭州市にスイカを売りに出ました。しかし小麦の収穫の作業もせねばならず、やむをえず無人販売を試しました。

 スイカが売り切れた後も、ウィーチャットで「友達」になりたいという申しこみが相次ぎました。「ちっちゃな子どもが早く回復しますように」「孫娘さん、頑張って!」といったショートメッセージを送信して送金した後、すぐに「友達」の関係を解消した人もいました。そんな場合、「ありがとうございます」の言葉さえ伝えられません。

 朱さんと家族は送金した人の連絡先を可能な限り記録しています。「子どもの病気が治ったら、力が及ぶかぎり、必ず返済する」とのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News