【6月19日 CGTN Japanese】このほど、中国では人気ドラマに現れた宋の時代の文化が再び注目されています。それはお茶に絵柄を描くという古来の茶文化です。「ラテアートではないか」という声が多く上がっていますが、これは「茶百戯」と呼ばれる中国の昔からのユニークな茶文化の一つです。

 茶百戯は2017年に福建省(Fujian)の無形文化遺産に登録されました。その代表的伝承人の1人である章志峰氏によりますと、茶百戯は研膏茶(粉状にひいた茶)を原料とし、水で茶の上に模様を描くものです。茶百戯は唐の時代に由来し、宋の時代になって繁栄し、文人の間で大変人気のある文化活動となりました。その後、この技法は世間に忘れられそうになっていました。

 茶百戯の制作プロセスは複雑で、制作者の絵画力だけでなく、茶をたてる基本的な能力も問われます。きめ細かい泡が出るまで茶をたてて、水を使って茶の上に絵を描いていきます。「画用紙」が動くため、数分間で一気に完成しなければならず、しかも描かれた絵は長くとも15分間しか保てません。章志峰(Zhang Zhifeng)氏は「流れ動くという茶の特徴を通じて、古人の創造力を示した。宋の文化を理解することができ、お茶を飲む楽しさも増えてくる」と述べました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News