【6月21日 AFP】ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は19日、女子大会に出場するトランスジェンダー選手に関し、陸上界も国際水泳連盟(FINA)に倣って規制を厳格化する可能性を示唆した。

 FINAは前日、トランスジェンダー選手が出場するための別枠として、「オープンカテゴリー」を創設する意向を明らかにした。FINAの新しい指針では、トランスジェンダー選手は「体が男性の思春期の影響を受けていないと証明する」ことができない限り、女子大会への出場を認められないとされている。

 また、国際自転車競技連合(UCI)も先日、トランスジェンダー選手が女子の部に出場するためのルールを厳格化し、男性から女性になる選手が競技できるようになるための移行期間をこれまでの倍に延ばした。

 ハンガリー・ブダペストで開催されている第19回世界水泳選手権(19th FINA World Championships)に出席したコー会長は「私の責任は女子スポーツの完全性を守ることであり、われわれはその問題に非常に真剣に取り組んでいる。今後、ルールを修正しなければならないということであれば、われわれはそうする」と述べた。

「これまでも、公平性と包括性のどちらかの選択を迫られたら、私はいつだって公平性の方に傾くということを常に明確にしてきた」

 世界陸連のルールでは、トランスジェンダー女子選手は少なくとも大会の12か月前に、男性ホルモンのテストステロン値を規定のレベルまで下げることが求められている。(c)AFP