【6月25日 CGTN Japanese】中国科学院古魚類研究チームはこのほど、今から約4億年以上前の古生代の魚の化石から、人類の中耳が魚のえらから進化してきた証拠を初めて発見しました。

 中耳は人間の重要な聴覚器官であり、進化の起源の研究は注目されています。中国科学院古魚類研究チームはこのほど、中国東部沿海地区の浙江省(Zhejiang)長興県(Changxing)と南西部の雲南省(Yunnan)曲靖市(Qujing)で出土した約4億年以上前の古い魚の化石に対する研究により、魚類の噴水孔が1対目のえらから進化したものであり、人間が音を聞き取る中耳は魚の呼吸器官であるえらが起源だったことを証明しました。

 中国科学院古脊椎動物と古人類研究所の盖志琨(Gai Zhikun)研究員はこの結果について、「現在のヒトの耳には呼吸の機能はないのに、依然として口腔と通じていることを説明できるようになった。すなわち、耳の一部は魚の呼吸器官だったからだ」と述べました。

 雲南省曲靖市は雲貴高原に位置しますが、シルル紀からデボン紀にかけては海であり、多くの古生代の魚類の化石が出土するので、「魚類の王国」と呼ばれています。中国の研究チームは数年にわたって発掘を行い、えらの繊維の痕跡が完全に保存された曲靖寬甲魚の化石を初めて採集しました。これは、魚類など脊椎動物の噴水孔はえらが退化したものだとする学説に最も確実な解剖と化石による証拠を提供しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News