【6月20日 CGTN Japanese】中国自然資源部中国地質調査局と中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ、CMG)による合同科学調査隊が中国南部の広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)百色市(Baise)楽業県(Leye)で新たに発見した巨大な陥没孔の「神鷹天坑」に対して7日間にわたる科学調査を行っています。

 天坑の深さは最大192メートルに達し、底部に着くにはまず、ロープで切り立った絶壁に沿って80メートルほど降ります。そこから絶壁が崩れ落ちてできた斜面に沿ってさらに下へ100メートル余り歩きます。天坑の上部は垂直に近い白い岩壁で囲まれており、底部には森が広がっています。また、底部は日照が少なく、日光を一生懸命に吸収するために、木は大変高くて細いものに成長しています。

 中国地質調査局カルスト地形研究所の沈利娜(Shen Lina)副研究員によりますと、天坑の底部では大量の希少植物が見つかりました。これまで同自治区内で発見されていなかったものもあり、底部の生態環境が大変良好であることが示されています。

 1998年に楽業県で発見された天坑群は世界でも珍しいカルスト地形の一種です。2002年に9カ国の研究者数十人からなる合同科学調査隊の大規模な調査により、20平方キロの範囲内に29の天坑が発見されました。これらの天坑は同じ地下水流である百朗地下河によってできたことから「同族」のものであるとされています。

 なお、新たに見つかった「神鷹天坑」は典型的な天坑であり、これにより楽業県にある天坑の数は30に増えました。また、驚くことに、この「神鷹天坑」を育んだ地下水流はこれまでと違う別のものであることが判明しました。今後、新たな天坑の「一族」が現れてくることが期待されています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News