【6月20日 CNS】中国の高級酒「貴州茅台酒(Kweichow Moutai)」を製造・販売する貴州茅台酒集団(Kweichow Moutai Group)は5月19日から、茅台酒をオンラインで注文できるアプリ「i茅台」を始めた。アルコール度数53%の「飛天牌茅台酒」100ミリリットルを399元(約8060円)で販売している。

 5月18日まで試験販売を49日間行ったところ、「i茅台」にのべ1億3000万人から3億4000万回の注文があった。このミニサイズの茅台酒は販売開始直後に売り切れとなり、SNSには購入に成功したことを示すスマートフォン画面を投稿する人も。コメント欄には「100元(約2020円)プラスして購入したい」と転売を求める書き込みもあった。

 一方で、一部のネットユーザーからは「ミニサイズしか販売しないのは、飢餓感をあおるハンガーマーケティングだ」「価格が高い」という不満も出ている。500ミリリットルの「飛天牌茅台酒」が公式価格1499元(約3万280円)なのに対し、100ミリリットルで399元の飛天牌茅台酒は単純計算の比較で 33%割高になっている。

 業界アナリストの蔡学飛(Cai Xuefei)氏は「ミニサイズの茅台酒は単価が低く、新しい消費者層に浸透するチャンスがある。通常の500ミリリットルボトルの茅台酒は社交の場で用いられるが、100ミリリットルは自宅で飲むのに適している」と話す。

 また、貴州茅台集団は貴州省(Guizhou)の茅台国際大酒店で5月19日から、初めての「茅台アイス」を販売。プレーン味とバニラ味を1個39元(約787円)で販売している。多くのネットユーザーは「アイスクリームも53度なのか?」「食べたら酔ってしまうのか?」と冗談めかして話題にしている。

 貴州茅台酒集団の関係者は「国内市場の主流消費層となっている若者はオンライン販売を好み、商品の個性を重視し、健康志向が強い。アイス販売は若者層にアプローチする最初の突破口だ」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News