【6月14日 AFP】ウクライナ産の飼料用穀物を積んだ船が13日、ロシアの黒海(Black Sea)封鎖を回避するため、バルト海(Baltic Sea)経由でスペインに到着した。スペインの生産者団体が発表した。

 食品生産者団体AGAFACによると、同協会が注文した1万8000トンの飼料用穀物を積んだフィンランド船籍の貨物船「アルピラ(Alppila)」が13日朝、スペイン北西部ラコルニャ(A Coruna)の港に到着した。ウクライナ産穀物が黒海経由で輸出されるのは初めてだとしている。

 穀物はまず、ウクライナからトラックで、バルト海沿岸のポーランド北西部の港シフィノウイシチェ(Swinoujscie)に運ばれた。そこからドイツ北部ブルンスビュッテル(Brunsbuettel)を経由し、スペインに向かった。

 AFPがウクライナの農業食料省に取材したところ、バルト海経由でのスペインへの輸出は今回が初めてかどうかは「情報がないので分からない」と回答があった。

 ロシアによる侵攻開始以前、ウクライナはヒマワリ油の世界最大の生産国、小麦の主要輸出国だった。だが、現在は黒海封鎖の影響で、膨大な量の穀物が海上輸送できずにいる。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領によると、現在月200万トン以上の穀物を鉄道で輸出しているが、南部オデーサ(Odessa)港などから船で輸出していた頃に比べるとはるかに少ない。(c)AFP