【5月17日 AFP】インドが先週、インフレや食糧安保をめぐる懸念から小麦の輸出を突然一時停止したことを受けて、17日には同国の主要港で多数のトラックや船が小麦を積んだまま行き場を失うなど、輸送が混乱した。

 世界第2位の小麦生産国であるインドは13日、輸出業者が政府の許可なく新たに輸出契約を結ぶことを禁止する命令を出した。

 この突然の発表を受け、グジャラート(Gujarat)州のカンドラ(Kandla)港は大混乱に陥った。港の運営会社によると、トラック約4000台が構外で列をつくっている。

 小麦の積載が一部終わった船4隻も港に停泊したままだ。積載量は計8万トン前後とされる。

 港湾当局によると、発表があった今月13日以前に到着したトラックは、小麦を船に積み込むことが認められており、これらの船は事前の契約に基づき、エジプトや韓国に向かう。一方、13日以降に港に到着したトラックは、小麦を降ろさずに戻ることを余儀なくされているという。

 今回の輸出停止は、ウクライナ侵攻でインフレが進む中、保護貿易主義を危惧する先進7か国(G7)から批判を受けている。

 3月に記録的な熱波に見舞われたインドでは、小麦生産にも影響が出ており、政府は減産を予想している。また、小麦価格は世界的に高騰している。(c)AFP