【6月13日 東方新報】今年2~3月に熱戦が繰り広げられた北京冬季五輪・パラリンピックの競技エリアが、オールシーズンを通じて市民に開放される。夏季大会・冬季大会を開催した史上初の「ダブル五輪シティー」として、夏季大会に続き五輪のレガシー(遺産)を市民と共有していく。

 冬季五輪で多くのスキー競技が行われた河北省(Hebei)張家口市(Zhangjiakou)の張家口エリアでは、国有企業「張家口全季体育産業発展集団」が最近、活動を開始した。このエリアにある国家スキージャンプセンター、雲頂スノーパーク、国家バイアスロンセンター、国家クロスカントリーセンターの運営を担う。

 世界最大級のスキージャンプセンターは、ウインターシーズンに中国代表選手の練習拠点や大規模大会の会場として使用する一方、夏はコースに草を植えて市民がグラススキーを楽しめるようにする。クロスカントリーセンターでは馬術やハイキング、登山、野外キャンプなど、バイアスロンセンターではマウンテンバイクやローラースケートなどができるよう整備を進めている。ウインターシーズンは子ども向けのスキー体験教室などを開く。このほか、周辺にサッカー場やバスケットボール、テニス、バレーボールのコートなども整備。イベント展示会や大型会議の会場としても開放し、四季を通じて多目的に活用できるエリアとしていく。

 冬季五輪の北京エリアでは、スノーボードとフリースタイルスキーが行われた首鋼スキージャンプ台(ビッグエア首鋼)が段階的に市民に開放されている。製鉄会社「首都鋼鉄(首鋼)」の工場跡地から生まれ変わった会場は、多くの市民が撮影に訪れる「映える」スポットとなり、散歩やジョギング、サイクリングのコースとして親しまれている。また、ボブスレー、リュージュ、スケルトンが行われた延慶エリアの国家スライディングセンターもコースの一部が開放される計画だ。

 2008年の北京夏季五輪開催は、中国が世界最大のスポーツの祭典を実現したことで、中国の人々に大きな自信を与えた。今回の北京冬季五輪はコロナ禍を克服して開催にこぎつけた。また、会場建設は最新技術を導入して二酸化炭素(CO2)の排出量を削減し、競技会場の電力はすべて自然再生エネルギーでまかなった。こうした成果を一過性のものとせず、四季を通じて施設を市民に開放していくことで、五輪のレガシーを広く市民と共有していこうとしている。(c)東方新報/AFPBB News