【6月13日 AFP】ロシア国防省は12日、欧米諸国がウクライナに提供した兵器が保管されていた同国西部の施設を空爆したと発表した。東部の要衝セベロドネツク(Severodonetsk)をめぐる攻防も激しさを増している。

 ロシア国防省は、ルーマニア国境まで約140キロの地点にあるチョルトキウ(Chortkiv)の「対戦車ミサイルシステムや携行型防空システム、砲弾の大規模保管施設」を攻撃したと主張した。

 地元の州知事によると、黒海(Black Sea)から11日夜に発射されたミサイル4発により軍事施設の一部が破壊された。22人が負傷したという。

 一方、東部ルガンスク(Lugansk)州セベロドネツクをめぐる攻防は一段と激化。セルヒー・ハイダイ(Sergiy Gaiday)州知事は、市へ通じる3本の橋のうち2本目がロシア軍に破壊され、残る1本も激しい砲撃を受けていると説明。状況は「極めて厳しい」と述べた。

 ウクライナ軍のワレリー・ザルジニー(Valeriy Zaluzhny)総司令官は、同州方面におけるロシア軍の火砲はウクライナ軍の10倍に及んでいると指摘。それでも「わが軍は死守している。ウクライナの大地に1メートルおきに血だまりができている。味方の血だけではない。占領者も血を流している」とフェイスブック(Facebook)に投稿した。

 ルガンスク州におけるウクライナ側の最後の拠点であるセベロドネツクと、川を挟んで対岸にあるリシチャンスク(Lysychansk)はここ数週間、ロシア軍の猛攻にさらされている。

 ハイダイ知事は、ロシア軍はセベロドネツクの完全な孤立化を試みていると指摘。民間人約800人が避難していると伝えられる市内のアゾト(Azot)化学工場も砲撃されていると語った。(c)AFP/Anna Malpas with Benoit Finck in Kyiv