【6月12日 AFP】男子テニス、ボス・オープン(Boss Open 2022)は11日、シングルス準決勝が行われ、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)は7-6(7-5)、6-2でニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)に勝利した。問題児のキリオスが試合中に激高し、1ゲームのペナルティーを科されたことについては「あまり試合にならなかった」上に「楽しくなかった」と話した。

 マレーはこれでキャリア70回目の決勝に進出し、2019年のヨーロピアン・オープン(European Open 2019)以来となる優勝を懸けて第2シードのマッテオ・ベレッティーニ(Matteo Berrettini、イタリア)と対戦する。ベレッティーニは7-6(9-7)、7-6(7-5)でオスカー・オッテ(Oscar Otte、ドイツ)を退け、グラスコート大会通算4回目の決勝に進出した。

 キリオスは65分に及んだ第1セットを落とした後、第2セット0-1の場面で反スポーツマン的行為により1ポイント、さらには1ゲームのペナルティーを受けた。ラケットをたたきつけ、一部の観客と言い争ったキリオスは、試合後にインスタグラム(Instagram)で人種差別被害を主張。「いつになったらこういうことが終わり、人種差別的な暴言へ対処してくれるんだ?」と怒った。

「自分の振る舞いが常にベストではないのは分かっているが『この小さな黒羊』とか『黙ってプレーしろ』とかいった言葉は受け入れられない」

「それで観客に言い返したらペナルティーを食らった。めちゃくちゃだ」

 大会スーパーバイザーが呼ばれた後のキリオスは気の抜けたプレーに終始し、試合を完全に支配したマレーが決着をつけた。マレーは「第2セットはプレーしていて楽しくなかった。レベルが高くなかった」とコメントした。

「あまり試合にならなかった。相手も最初はよかったが、終盤が近づく頃にはいらついていた。第1セットはタフな展開で、第1セットの最後がポイントだった」

「彼との試合では、こういうことは予想できるから、実際に起こったとしても驚かない」

「第1セットを落としたのは、彼にとってすごくフラストレーションがたまることだったし、それでラケットを壊していた。審判ともやり合っていて、観客とも何かあったようだ。しかし第1セットの後に何か聞こえた感じはしなかった」 (c)AFP