【6月12日 AFP】サッカー界のスーパースター、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)に性的暴行を受けたとして米国の女性が起こしていた訴訟で、米ネバダ州の連邦地方裁判所は11日、女性の訴えを退ける判決を下した。

 ネバダ州のキャスリン・マヨーガ(Kathryn Mayorga)さんは、2009年にラスベガス(Las Vegas)のホテルの部屋でロナウドから性的暴行を受けたと主張していたが、判事はこれを棄却。10日に出された42ページの判決文では、マヨーガさんの弁護団が適切な法的手続きを悪用し、重大な迂回(うかい)を行ったと批判し、その結果「マヨーガ氏はこの件を追及する機会を失った」と述べた。

 米メディアの報道によれば、弁護団は5月の時点で自ら訴えを取り下げる方向に動いていたが、判事は彼らが不正な方法で入手した機密資料を繰り返し使用していたと判断し、「確定力をもって」訴えを退けた。これにより、同じ訴えを再び起こすことはできなくなった。

 判事は「確定力をもった棄却によって、この件に当初から染みついていた汚れを取り除き、法的手続きの品位を守る」と述べている。

 昨年10月に別の判事は、訴訟の終了を求めるロナウド側の訴えを認めるべきだと勧告。本来ロナウドと弁護団間で秘匿されていたやり取りから漏れた情報を基にした訴訟であるとし、マヨーガさんの代理人を批判していた。

 マヨーガさんは2018年に訴訟を起こしたが、ロナウドは疑惑を強く否定していた。マヨーガさんは、ホテルでの出来事があった直後にロナウドと37万5000ドル(約5000万円)と伝えられる示談金の支払いで合意したが、当時は精神的なトラウマを抱えていて調停に臨める状態ではなかったと主張していた。(c)AFP