【6月10日 AFP】ポーランドは9日、移民流入を防ぐために設けていたベラルーシ国境の立ち入り禁止区域について、来月から撤廃すると発表した。国境フェンスの建設は続ける。

 立ち入り禁止区域は全長約400キロ、幅3キロで、昨年9月に設置された。移民や人道支援職員、メディア、非居住者の侵入が禁じられている。

 マリウシュ・カミンスキ(Mariusz Kaminski)内務・行政相はツイッター(Twitter)に、7月1日から立ち入り禁止区域を撤廃すると投稿した。撤廃後も市民はベラルーシ国境から200メートル以内の立ち入りは認められない。

 だが、ポーランド・ベラルーシ国境420キロの半分近い186キロに及ぶ国境フェンスの建設は続けるとしている。フェンスは高さ5メートルで、監視カメラや人感センサーが取り付けられる。建設費用は3億5300万ユーロ(約505億円)の見込み。

 中東からの移民を「押し返す」など、ポーランドの移民に対する厳しい姿勢はメディアや活動家などから批判されてきた。こうした移民は、ベラルーシを経由してポーランドに入国を試みることが多い。

 一方、ロシアによるウクライナ侵攻開始後、ポーランドはウクライナ難民を積極的に受け入れており、その数はこれまでに400万人以上に上っている。(c)AFP