【6月10日 AFP】欧州中央銀行(ECB)は9日、7月から国債買い入れによる量的緩和策を終了し、加速するインフレを抑制するため一連の利上げを行うことを決めた。利上げは11年ぶりで、ユーロ圏の低金利時代に幕が下りることになる。

 米連邦準備制度理事会(FRB)と英イングランド銀行(Bank of England)はすでに物価抑制を狙った利上げを開始しており、ECBも追随するよう圧力を受けていた。

 ECBは、本部があるドイツ・フランクフルトではなくオランダの首都アムステルダムで定例理事会を開き、第1段階として、量的緩和策を来月1日に終了することで合意。同月21日の次回理事会では、主要政策金利を0.25%引き上げる。9月にも追加利上げするが、規模は経済の見通しによって決める。

 ECBのクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)総裁は、今回の決定は全会一致だったとし、ECBは「今後数か月のうちに一連の措置」を取ると述べた。

 主にロシアによるウクライナ侵攻のため、世界のエネルギー、食料、原材料の価格が高騰し、ユーロ圏19か国のインフレ率は5月に過去最高となる8.1%に上昇。ECBの目標値である2%を大幅に上回った。(c)AFP/Sebastien ASH with Michelle FITZPATRICK in Frankfurt