【6月9日 AFP】タイ警察は9日、南太平洋のイースター島(Easter Island)の石像「モアイ(Moai)」のレプリカの中に隠されていた覚せい剤の一種メタンフェタミンの結晶200キロを押収したと発表した。像は、台湾へ輸送される予定だったという。

 ラオス、タイ、ミャンマー国境の一帯は世界有数の麻薬生産地で、密輸拠点ともなっており、「黄金の三角地帯(Golden Triangle)」と呼ばれている。

 タイの麻薬捜査班は台湾警察と連携し、バンコクの南東約50キロに位置するレムチャバン(Laem Chabang)港の輸送会社を捜索し、鉄骨とセメントでできたモアイ像を調べた。

 像は2020年末、展覧会用に台湾からタイに輸送されたもので、警察はこれに絡み、タイ人と台湾人の容疑者の逮捕状を請求していた。

 国連(UN)が先月公開した報告書によると、東南アジアでは昨年、過去最多の10億錠のメタンフェタミンが押収された。

 専門家によると、メタンフェタミンの生産量は前例のないほど増えており、昨年2月のミャンマーのクーデターの影響で、状況はさらに悪化しているという。(c)AFP