【6月9日 AFP】ウクライナ東部ルガンスク(Lugansk)州のセルヒー・ハイダイ(Sergiy Gaiday)知事は8日、ロシア軍との攻防が続く同州の要衝セベロドネツク(Severodonetsk)で、ウクライナ軍が撤退を強いられる可能性があると述べた。

 ハイダイ氏はウクライナのテレビ局オディン・プリュス・オディン(1+1)に対し、同市はロシア軍から「24時間」砲撃を受けており、「われわれは撤退する必要が出てくるかもしれない」と語った。

 首都キーウなどの制圧に失敗したロシア軍は現在、ルガンスク州を含む東部ドンバス(Donbas)地方の掌握を目指しており、同市に対し重点的に攻勢をかけている。ロシアは7日、同市内の工業地帯と近郊の集落を除く住宅地を完全に掌握したと発表。一方のウクライナ当局は、市内はまだ完全制圧されていないと主張している。

 ルガンスク州では、同市と川を挟んで対岸に位置するリシチャンスク(Lysychansk)の2都市がウクライナの支配下にある最後の地域となっている。リシチャンスクの状況も厳しさを増しており、AFPの取材に応じた住民のユーリー・クラスニコフ(Yuriy Krasnikov)さん(70)は「毎日爆撃があって、毎日何かが燃えている。家も、アパートも…」と語った。市職員は全員退避し、「助けてくれる人はいない」という。(c)AFP/Blaise Gauquelin, with Quentin Tyberghien in Donbas