【6月8日 AFP】米俳優ブラッド・ピット(Brad Pitt)さんが、元妻で女優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんを相手取り、南仏のブドウ園の権利を同意なしに売却したとして訴えている裁判で、ジョリーさんは損害を与えることを意図してロシアのオリガルヒ(新興財閥)に権利を売ったとピットさん側が主張していることが分かった。

 ハリウッド(Hollywood)の大物カップルだった2人は2016年に離婚を申請した。

 ジョリーさんは21年10月、2人が結婚式を挙げた南仏のワイン用ブドウ農園「シャトー・ミラバル(Chateau Miraval)」の権利50%を、ロシアの富豪ユーリー・シェフレル(Yuri Shefler)氏が所有する飲料大手ストリ・グループ(Stoli Group)傘下のテヌーテ・デル・モンド(Tenute del Mondo)に売却した。

 ピットさんは今年2月、双方は同意を得ずに権利を売却しないことで合意していたはずだとして、ジョリーさんを提訴した。

 AFPが確認した、ロサンゼルスの裁判所に3日に提出された修正訴状によると、ピットさんの弁護士は、ミラバルの権利売却を通じて「ジョリーさんはピットさんに損害を与えようとした」と指摘している。

 シェフレル氏については、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の取り巻きグループと個人的・事業上のつながりを持っているとしている。

 シェフレル氏自身は以前からプーチン氏を公然と批判しており、ストリ・グループの拠点はラトビアに置かれている。シェフレル氏はロシアのウクライナ侵攻開始後の3月、「プーチン氏に反対しているため2002年以降、ロシアから追放されている」との声明を発表した。

 ストリ・グループはAFPの取材にすぐにはコメントを返していない。

 内情に詳しい関係筋はAFPに対し、ジョリーさんが権利の売却を決めたのは、子どもたちも含めてシャトー・ミラバルに「戻れていない」ためで、売却する前に複数回にわたりピットさんに打診したと話した。(c)AFP/Andrew MARSZAL