【6月12日 AFP】オフィスに来客があると、デイジー(Daisy)は尻尾を振りながら近づいていって出迎える。新型コロナウイルスの流行期に在宅勤務をしていた従業員が出社を再開するに当たり、デイジーのようなペットの同伴出勤が可能になった企業がカナダにはいくつもある。

 工業デザインを手掛ける首都オタワの会社、タングステン・コラボレイティブ(Tungsten Collaborative)のウェブサイトでは、デイジーは「士気向上責任者(chief morale officer)」として紹介されている。特技は「ストレス管理」と「顧客との関係づくり」。同社の優れたイノベーションの多くは、デイジーとの「長い散歩中に生まれた」とある。

 ビル・ディック(Bill Dicke)社長(47)はAFPとのインタビューで、「ペットを飼っている従業員には(職場に)連れてくるように勧めています」と話した。

「毎日、自宅でペットと一緒に過ごして関係を深めておきながら、飼い主が突然職場に戻り、ペットは一日中、ケージに入れられるか、ひとりで留守番。それでは、ペットにとってあんまりです」

「新型コロナが流行している間に、(職場での)ペットに対する許容度も高まりました」と話す。

 犬たちはデスクの下や役員室で昼寝をし、廊下でボールを追いかけたり、音の鳴るおもちゃで遊んだりして、オフィスでの時間を過ごす。給湯室には犬用の水が入ったボウルが並んでいる。

 同社は、動物保護団体「ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル・カナダ(Humane Society International/Canada)」からドッグフレンドリーな会社として認定されている。犬同伴の勤務はスタッフの生産性を上げ、職場の活性化に役立っているとディック氏は言う。

 ペット用品企業ペットセーフ(PetSafe)が最近委託した世論調査によると、カナダ人の51%は犬を職場に連れていくことに賛成している。

 この割合が最も高いのは若年層で、18〜24歳では、ペットの同伴出勤を禁じられた場合は転職するとの回答が18%に上った。