【6月7日 AFP】ブラジルのアマゾン(Amazon)熱帯雨林の人里離れた地域で、英国人ジャーナリストとブラジル人の先住民族研究者が行方不明になっている。当局と先住民の人権団体が6日、発表した。2人は伐採業者らから脅迫されていたという。

 英紙ガーディアン(Guardian)によると、行方が分からないのは、同紙に長年寄稿してきたベテラン外国特派員ドム・フィリップス(Dom Phillips)氏(57)と、先住民族の研究者ブルノ・ペレイラ(Bruno Pereira)氏。アマゾンのバレドジャバリ(Javari Valley)で本の執筆のための調査を行っていた。

 先住民人権団体「UNIVAJA」と「OPI」は、2人は先週、野外調査中に脅されていたとしているが、詳細は明らかにしていない。

 ペレイラ氏は、国立先住民保護財団(FUNAI)に所属する専門家で、一帯に詳しい。先住民が暮らす土地を奪おうと画策する伐採業者や採掘業者から頻繁に脅迫を受けていた。

 UNIVAJAとOPIによると、2人は3日夕、ボートでペルー国境に近い北部アマゾナス(Amazonas)州ジャブル(Jaburu)湖に到着。5日午前9時ごろまでにアタライアドノルテ(Atalaia do Norte)の町に戻ってくる予定だった。

 2人は5日朝、帰路につき、途中で地元指導者との約束がありサンラファエル(Sao Rafael)の集落に立ち寄った。しかし相手が現れなかったため、ボートで2時間の距離にあるアタライアドノルテに向かった。

 最後に2人が目撃されたのは、サンラファエルのすぐ下流にあるサンガブリエル(Sao Gabriel)の集落付近。

 2人が乗っていたボートは新しく、ガソリン70リットルを積んでいた。衛星通信機器も携行していた。

 連邦検察は捜索のため警察を派遣。海軍の指揮による捜索活動も開始したとしている。

 現地紙グロボ(O Globo)によると、6日夜、漁師の男2人が逮捕された。うち1人とはフィリップ氏らが会う約束をしていたという。ただ、サンラファエルで会う予定だった人物かどうかは分かっていない。(c)AFP