【6月7日 AFP】米司法省は6日、ウクライナ侵攻をめぐる対ロシア制裁に違反したとして、ロシア人富豪のロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏が所有する飛行機2機の差し押さえ手続きに着手した。

 差し押さえ令状によると、対象はボーイング(Boeing)の787-8ドリームライナー(787-8 Dreamliner)と、ガルフストリーム(Gulfstream)のG650ER。3月2日に米国製の機体を対象に導入された輸出規制に違反して、ロシア領空を飛行したとされる。

 2機の価値は計4億ドル(約530億円)相当。ボーイング機は現在、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)に、ガルフストリーム機はロシア国内にあるとされる。

 司法省でロシアのオリガルヒ(新興財閥)の資産差し押さえなどのチームを率いるアンドリュー・アダムズ(Andrew Adams)氏は「差し押さえに向け積極的な措置を講じ、2機の所在地に動きがないか注視していく」と述べた。

 アブラモビッチ氏は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領らロシア政府高官と親密な関係にあるとされる。ロシアによるウクライナ侵攻開始を受け、欧州では制裁対象とされているが、米国では制裁対象となっていない。(c)AFP