【6月5日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表FWのカルロス・テベス(Carlos Tevez)が4日、現役引退を発表した。

 1年にわたって所属クラブがない状態が続いていた38歳のテベスは、地元テレビ局アメリカTV(America Television)で「引退する。そう決めた」と話し、「選手として、心の中にあるものを出し尽くしたし、おかげで今は自分自身に満足している」と語った。

 テベスはアルゼンチン代表として76試合に出場し、W杯(World Cup)にも2回出場。また、2004年のアテネ五輪では金メダルを獲得した。

 クラブレベルでは、母国のボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)でキャリアの最初と最後を過ごし、2003年にはリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America)優勝を経験した。その間にはイングランドとイタリアで大きな成功を収めたが、トラブルも少なくなかった。

 2006年にイングランド・プレミアリーグのウェストハム(West Ham)に加入し、1年後にはマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)へ移籍したが、この時期には「第三者による選手保有」が問題になり、これを契機に同リーグと国際サッカー連盟(FIFA)の選手契約に関するルールが変わった。

 ユナイテッドでは2回リーグ優勝し、2008年に欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇を達成したが、その1年後には同都市のマンチェスター・シティ(Manchester City)へ移籍するという物議を醸す決断を下した。

 その後にはイタリア・セリエAに移り、ユベントス(Juventus)で2度のリーグ優勝を経験し、2015年にボカへ復帰した。

 2021年2月には養父のセグンド・テベス(Segundo Tevez)さんを新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で亡くす経験をし、同年6月に家族の事情を理由にボカを退団していた。父親について、テベスは「プレーをやめるのは、自分の一番のファンを失い、意欲がなくなったからだ。8歳のときに、父がプレーを見に来てくれたんだ」と語った。

 今後については、指導者への転身を考えているという。(c)AFP