【6月1日 CGTN Japanese】5月27日に99歳を迎えたばかりのヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が、現在の中米関係について見解を発表しました。

 キッシンジャー氏は「過去数十年、中米関係は建設的な方向に沿って発展してきた。しかし、中国の王毅外交部長が述べたように、いま双方には多くの食い違いが存在し、情勢は緊張化している」としました。

 さらに、「50年前、双方の食い違いは国家の利益に集中していた。今は科学技術が進歩し、世界で未曽有の変化が生じている。技術によって、大国間関係はさらに複雑になった。先端技術を手にした国はなおさらだ」と述べたうえで、「このような状況で米中は大国として共存の原則を樹立する必要がある。中国は数千年の歴史を持ち、中国の政府ガバナンスと外交政策はその歴史を基礎としている。一方で、米国は比較的若く、政策は実務を基礎として打ち立てられた。このような両国が共存方法を見いだすうえで、対立は避けなければならない。双方の対立は衝突ひいては軍事衝突をもたらす可能性があるからだ。双方は共に努力して対話を始めるべきである。対話を通じて、相手のコア利益をしっかりと理解し、相手の関心事を尊重すべきだ」との考えをしました。

 また、台湾問題については、「この問題は一貫して米中関係の重要な部分だったはずだ。ニクソン大統領の訪中において、毛沢東主席との会談の最初の話題は台湾問題だった。双方の暗黙の了解として、米国が『一つの中国』の原則を認め、中国はこの問題についての米国の関心事を理解し尊重する――過去数十年にわたって、双方はこのような方式で台湾問題を処理してきた。台湾問題を徹底的に解決する条件は現在も熟していないが、双方は過去に確立した枠組みを共に維持すべきだ」と指摘しました。

 米中関係のあり方についてキッシンジャー氏は「双方が相手に対して脅威をもたらさない状況下で対話できるようにすることが大切だ。米中両国は革命的な理念を見出して、世界の発展と平和に貢献していく。この偉大な品格を実践に移し、両国と世界に恒久的な平和をもたらすことができるはずだ」と述べました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News