【5月31日 AFP】仏パリのルーブル美術館(Louvre Museum)で29日、来館者の男(36)がレオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の名画「モナリザ(Mona Lisa)」を保護するガラス製ケースにクリーム菓子を塗りつけた。男はその際、芸術家たちが「地球」に十分な関心を向けていないと抗議。検察当局は30日、男を逮捕し、精神科施設に収容したと発表した。

 作品は防弾ガラス製のケースで保護されていたため無事だった。パリの検察当局によると、文化財損壊未遂の疑いで捜査が開始された。

 ソーシャルメディア上では、携帯電話で撮影された事件当時の映像が拡散。ツイッター(Twitter)ユーザーの「Lukeee」さんは、美術館職員がガラスについた汚れを拭いている様子や、白い服を着た男が警備員に連行される場面を映した動画を投稿し、「高齢女性に扮(ふん)した男が車いすから飛び上がり、モナリザの防弾ガラスを割ろうとした。そして、ガラスにケーキを塗りつけ、辺りにバラをまき散らし、警備員に取り押さえられた」とコメントしている。

 動画の中で男は「地球を破壊している人たちがいる。すべての芸術家たちよ、地球について考えよ。だから私はこれをしたのだ」とフランス語で叫んでいる。犯行の瞬間を捉えた動画は投稿されていない。

 モナリザは1956年12月、ボリビア人の男が石を投げつけ、左ひじ部分を損傷させて以来、ガラス張りで保護されている。2005年には、温度と湿度を管理できる強化ガラスのケースに移し替えられた。(c)AFP