【5月30日 AFP】セルビアは29日、今冬向けの天然ガスを確保するため、ロシアと新たな長期契約を締結したと発表した。

 アレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は、新規契約により「ガス供給に関しては安全な冬」が確約されたと説明。詳細は近日中に発表するとしている。

 大統領は契約について「欧州内で最も有利な条件」が盛り込まれており、「現時点では他の欧州諸国が支払う代金のほぼ3分の1、冬には10分の1程度で済むだろう」と語った。

 セルビアは現在、エネルギー需要のほぼ全量をロシア産に依存している。天然ガスはロシア国営天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)から1日約600立方メートルを輸入している。

 一方、ロシア政府は、セルビアの石油・ガス会社NISの過半数株を保有している。

 セルビアは、ロシアによるウクライナ侵攻開始以来、東西両陣営の間で慎重にバランスを取っている。国連(UN)総会でロシアの侵攻を非難する決議に賛成する一方で、対ロ制裁には加わっていない。(c)AFP