【5月29日 AFP】28日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2022)女子シングルス3回戦で、負傷のため途中棄権したフランスのアリーゼ・コルネ(Alize Cornet)に対し、観客からブーイングが起こる出来事があった。コルネは試合後、「ごく一部のばかな人間」を非難した。

 中国の鄭欽文(Zheng Qinwen)と対戦したコルネは0-6、0-3となったところで左太ももの負傷のため棄権。厳重にテーピングを施して試合に臨んでいたコルネは「自分が棄権しなくてはいけないときに、コートでブーイングできる人の失礼さにはびっくりする。痛みがあったからなのに」とコメント。「フランスの観客には驚かされることがある。それは常に良い意味というわけではない」と嘆き、「けがよりも痛い」と話した。

 2017年大会覇者のエレナ・オスタペンコ(Jelena Ostapenko、ラトビア)に勝利した26日の2回戦では観客が「後押し」してくれたと話していたコルネ。その試合ではオスタペンコが観客の影響を受け、騒音に耳をふさぐ場面があったが、今度は逆に自らが同じ立場を経験する形となった。

「そうしたことは不当だし、不当なときは傷つけられる。でも、ほとんどの人々が自分に同情してくれているのは間違いないし、状況を理解してくれている。ただ、ごく一部のばかな人間のせいで、本当に嫌な思いをさせられる」

 オスタペンコ戦の第3セット終盤に負傷したというコルネは、検査で肉離れが見つかり、難しい試合になることは分かっていたが挑戦したかったと説明。「自分はいつも最後の最後まで運を試す。試合に出ず、悪化させるリスクは取らないべきだったかもしれないけど」と語った。

 コルネは今回が四大大会(グランドスラム)61回連続出場のベテランで、女子シングルスで勝ち残っていた唯一のフランス選手だった。(c)AFP