【5月28日 AFP】米テキサス州の小学校で起きた銃乱射事件で、同州公安局のスティーブン・マクロー(Steven McCraw)局長は27日、死傷した児童と共に犯人の男が立てこもっていた教室内に警察が直ちに突入しなかったのは「間違った判断」だったと認めた。

 同州ユバルディ(Uvalde)にあるロブ小学校(Robb Elementary School)で24日に起きた事件では、連結した二つの教室に立てこもったサルバドール・ラモス(Salvador Ramos)容疑者(18)が、児童19人と教員2人を殺害。その際、警察は男を射殺するまでに1時間以上を要しており、初動が遅れたことで犠牲者が増えた可能性が指摘されている。

 マクロー氏は記者会見で、突入が遅れた理由を厳しく追及されると、「後から考えれば(中略)確かに間違った判断だった」と言明。「可能な限り早急に突入すべきだった」とし、「謝罪が役に立つと思えるなら、そうするのだが」と述べた。

 記者会見では、事件の悲惨な詳細も明らかにされた。容疑者が立てこもっていた教室からは、警察に助けを求める児童らからの緊急通報が何度もあったという。学校の周囲では、取り乱した保護者たちが、警察に対し早く突入するよう懇願していた。

 だが、マクロー氏によると、現場の指揮官は、容疑者が最初の4分間で数百発を発砲した後、ドアに向けて散発的な発砲しかしなかったことから、教室内にもはや生存者はおらず、容疑者が一人で立てこもっていると判断した。

 しかし、教室内の少女は午後0時16分の通報で、児童8~9人がまだ生存していると伝えていた。教室の外には当時、最大19人の警察官に加え、到着したばかりの戦術部隊がいたが、教室に突入したのは午後0時50分だった。

 この少女からは、警察に助けを求める通報が繰り返しあった。午後0時21分には別の人物からの通報で、電話越しに3発の銃声が聞かれた。少女からの最後の通報は、救出された際に終了したという。(c)AFP