【5月28日 AFP】ロシア極東・沿海(Primorsky)地方の議会で27日、共産党議員2人が、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対しウクライナへの侵攻を停止するよう求めた。同国議員が公の場で政府への反対を表明するのはまれ。

 3か月にわたり続くウクライナ侵攻では多数の死傷者が出ているものの、ロシアの各政党や政府高官の大半はプーチン氏を支持している。だがこの日の沿海地方議会では、共産党のレオニード・ワシュケビッチ(Leonid Vasyukevich)議員がプーチン氏に対しウクライナ撤退を訴える声明文を読み上げ、議場は騒然となった。

 その際の映像によると、ワシュケビッチ氏は「軍事作戦を停止しなければ、国内でさらに多くの孤児が生まれるだろう」と指摘。「軍事作戦中に障害者となる人々もいる。わが国に大いに貢献する可能性のある若者たちだ」とし、「ロシア軍の即時撤退を要求する」と述べた。

 数人の議員やオレク・コジェミャコ(Oleg Kozhemyako)知事がワシュケビッチ氏を制止しようとした。知事は、同氏をロシア軍の評判を汚す「裏切り者」と呼び批判した。

 ワシュケビッチ氏によると、声明文には4人の共産党議員が署名していたが、そのうち2人は議会でその内容に反対を表明した。議会はその後、登院していた議員の賛成多数で、声明文に賛同した同氏とゲンナジー・シュリガ(Gennady Shulga)議員から同日の発言権を剥奪することを決めた。

 地元共産党トップのアナトリー・ドルガチョフ(Anatoly Dolgachev)氏は、声明文は党の承認を得ていなかったとし、「最も厳しい措置」を取ると約束した。(c)AFP