【5月27日 AFP】男子テニスのバーナード・トミック(Bernard Tomic、オーストラリア)が、対立関係にある同胞のニック・キリオス(Nick Kyrgios)に100万豪ドル(約9000万円)を懸けた勝負を挑んだ。これに対しキリオスは27日、「こっちはもっと大きな仕事がある」と相手にしなかった。

 以前は友人関係にあったが、ここ数年は中傷し合っている二人。今週に入り、トミックが過去の直接対決では自分が勝っていると主張すると、キリオスもトミックは「オーストラリアで最も嫌われているアスリート」だと言い返し、遺恨が再燃していた。

 そうした中でトミックは、キリオスに対して言葉ではなく金を懸けて対戦することを要求し、「互いに100万ドルを懸けて、どっちが強いか確かめようじゃないか」と地元紙ゴールドコースト・ブリテン(Gold Coast Bulletin)で呼び掛け。「公衆の面前で、どちらが強いか白黒つけよう。前は俺が楽勝しているし、もう一度やってやる。それに芝でやるんだから言い訳はできない。どこでもいつでも構わない」と話した。

 意外なことに、これまで両者はATPツアーでは一度も対戦したことがない。メルボルンで行われた2019年のエキシビション大会、クーヨン・クラシック(Kooyong Classic 2019)が唯一の対戦で、このときはトミックが6-3、6-4で勝っている。

 だが、トミックは世界ランキングで過去最高17位まで到達しながらも、その後は成績が低迷して現在の主戦場は下部のチャレンジャーツアー(ATP Challenger Tour)。世界ランクも418位まで沈んでいる。

 トミックの挑戦を受け、世界76位のキリオスはインスタグラム(Instagram)で反応。勝負するのはいいが、それは公式戦での話だとし、「俺は今もATPツアーでプレーしている。マイブラザー、こっちはもっと大きな仕事があるんだ」と語った。

「そっちが今チャレンジャーで戦っているのは分かっている。でも、俺と対戦して問題を解決したいなら、とにかくトップに戻って来い。俺はここにいる。どこにも行きやしない。待っていてやるよ。まともなレベルでプレーできるようになれば、メディアに出たり、俺の名前を使ったり、再び絡もうとしたりする必要もなくなるだろう」

 両選手は現在開催中の全仏オープン(French Open 2022)には出場していないが、共に来月のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)に出る意向を示している。(c)AFP