【5月23日 AFP】テニスの四大大会(グランドスラム)、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)で世界ランキングのポイントが獲得できなくなったことについて、男子のジョン・イズナー(John Isner、米国)が22日、今季のウィンブルドンには「あまりそそられない」と話した。

 ウィンブルドンは4月、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアとベラルーシの選手の出場を禁止することを発表したが、男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)は20日、対抗措置として大会にランキングポイントを付与しないことを決め、ウィンブルドンは豪華なエキシビション大会になり下がるおそれがある。

 この日、全仏オープンテニス(French Open 2022)のシングルス1回戦に出場して勝利したイズナーは「現時点では、正直に言って、ウィンブルドンにはあまりそそられない。土曜日に現地入りし、月曜日に試合をして成り行きに任せるというようなことになるかもしれない。なぜって、ポイントはツアーの通貨だからだ」とコメントした。

「だからある意味で、一部の選手はウィンブルドンでかなり自由にプレーできると思う。ランキングを落とす心配がないからだ」

 イズナーは、ロシアとベラルーシの選手の出場を禁止したウィンブルドンの判断には賛成できないと話しつつ、「ATPが間違った判断をしたとは言わないが、ポイントありでプレーしたかった。とはいえ、両国の選手も出場できるべきだったと信じているし、その意味では間違いなくATPを支持する」とコメントした。

 対照的に、全米オープン(US Open Tennis Championships)優勝経験者である女子のスローン・スティーブンズ(Sloane Stephens、米国)は、ウィンブルドンの考えを支持している。

 全仏の女子シングルスで2回戦進出を決めたスティーブンズは「今回の判断は正しいと思う」と話し、「ツアーの原則と立場に目を向ければ、迫害は許されない。今まさにそれが起こっている」と主張した。

 昨年のウィンブルドンで8強入りしたオンス・ジャバー(Ons Jabeur、チュニジア)は「多くの選手が落胆している」と明かし、「一番気になっているのは、昨年のポイントが保持されるのかと、ポイントの置き換え方。特に決勝や準決勝に進出した選手が、ポイントを守れず全部失ってしまうのは不公平」と訴えた。(c)AFP/Martyn WOOD