【5月17日 AFP】米捜査当局は16日、西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊ラグーナウッズ(Laguna Woods)の教会で1人が死亡、5人が負傷した銃撃事件について、中国系移民デビッド・チョウ(David Chou)容疑者(68)による台湾および台湾系住民への憎悪犯罪(ヘイトクライム)との見方を明らかにした。

 容疑者は中国出身で米市民権を取得済み。西部ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)で警備員として働いている。

 容疑者は15日、教会の周囲に火炎瓶や予備弾薬が入ったかばんを複数隠し、扉を鎖と瞬間接着剤でふさいだ後、拳銃2丁を使って銃撃を始めた。中では礼拝後の食事会が開かれており、数十人がいた。

 カリフォルニア州オレンジ郡(Orange County)のドン・バーンズ(Don Barnes)保安官は「入念に戦略を練っていたことがうかがえる」と指摘。政治的動機に基づく憎悪犯罪との見方を示し、「容疑者は中国と台湾の政治的緊張に不満を抱いていた」と述べた。

 16日、信徒の一人が勇敢に容疑者に立ち向かったことが明らかになった。ジョン・チェン(John Cheng)医師が銃撃を始めた容疑者にタックルして押し倒したことで、他の信徒が容疑者の手足を縛ることができた。

 バーンズ保安官は「チェン医師の行動がなければ、さらに多くの犠牲者が出ていたに違いない」と述べた。

「残念ながら、チェン氏は容疑者にタックルした後に撃たれ、その場で死亡が確認された」

 事件では66~92歳の5人が負傷し、病院に搬送された。(c)AFP