【5月17日 AFP】深刻な経済危機に陥っているスリランカのラニル・ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)新首相は16日、国民に向けて演説し、国内のガソリン備蓄が枯渇しており、必需品を輸入する資金も調達できていないと述べた。

 ウィクラマシンハ氏は「ガソリンが底をつきた」と述べ、残る備蓄は1日分のみだと説明。政府は輸入した石油の代金を工面できておらず、輸送船3隻が石油を載せたままコロンボ(Colombo)港の外で支払いを待っている状態だとした。

 また、「今後数か月は最も困難な月となる」と警告。公務員140万人の5月分の給料を支払う現金が不足しているため、最後の手段として紙幣発行に踏み切ることを決めたとした。

 スリランカは史上最悪の経済危機に陥っており、国民が食料や燃料、医薬品を確保できない状況が続いているほか、記録的な物価高騰と大規模な停電にも見舞われている。前首相のマヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapaksa)氏は、数週間にわたる反政府デモが暴動に発展したことを受け辞任。ウィクラマシンハ氏は12日、新首相に就任していた。(c)AFP