【5月15日 CGTN Japanese】中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ、CMG)の報道によりますと、世界第二の流動性砂漠であるタクラマカン砂漠を縦断する尉且砂漠道路がまもなく開通します。タクラマカン砂漠は水も電気も電波もない上に、植生もなく鳥や動物もいない、自然環境が劣悪な「死の海」と呼ばれています。

 尉且砂漠道路は新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)内の尉犂(ロブール)県と且末(チャルチャン)県を結び、天山山脈の南斜面とアルキン山北麓の間のタリム盆地を通っています。タクラマカン砂漠の真っただ中を縦断し、全長は約333キロで、その内の300キロ前後が砂漠区間です。現在世界で建設中の砂漠道路の中では最も距離が長く、流動砂丘の区間が最も広く、工事条件も劣悪を極め、最も工事が困難な砂漠道路です。

 この砂漠道路が通過する地域には30余りの高い砂山があり、最も高い砂山は高さ100メートルを超え、30階建てのビルに相当します。他にも、砂丘の間のくぼ地が30カ所近くあり、最も長いものは長さ12キロに及びます。砂山をならし、くぼ地を埋めるのは工事にとって大きな試練です。

 複雑な地形に加え、気候条件も大きな課題です。タクラマカン砂漠では春は砂が天を覆い、夏は灼熱(しゃくねつ)で、地表温度は70度近くにも達します。

 この道路で唯一の橋となるタリム川特大橋は全長1300メートル近く、タリム川をまたぐこの橋の建設は要となる工事です。このような長い橋梁が設計されたのは現地の生態環境を保護するためで、基本農地(重要な保護の下にある耕作地)の占用を減らし、コトカケヤナギ(ポプラの一種)の林の伐採を減らすためだということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News