■「盗電」防止にも

 ファベーラでは、公共の街灯に電線をつないで自宅に電気を引き込む「盗電」が広く行われている。違法な上、危険な行為だ。太陽光発電はこれを避ける代替手段にもなる。

 また盗電は、利用者全体の電気料金が上がる一因にもなっていると電力会社は指摘する。推計によると、盗電による損失額は年間15億レアル(約400億円)にも上る。

 ブラジルの太陽光による発電量は現在、国内電力消費量の1.8%にとどまっている。

 だが、バビロニアのような貧困地区での住宅太陽光発電は「急速に拡大」しており、昨年は発電容量が29.3%増加したと、リオデジャネイロ州立大学(Rio de Janeiro State University)のカルロス・アパレシド(Carlos Aparecido)教授(電気工学)は語る。

「貧困層にとって、太陽光発電は高額な電気代に代わる持続可能な選択肢だ」とアパレシド教授は述べている。(c)AFP/Giulio FURTADO