■「移動遺体安置所」

 収容された遺体は、冷蔵貨車に保管される。列車の内部には、すでに多数のロシア兵の遺体が並べられている。

 この移動式の遺体安置所の位置は、機密情報として扱われている。ウクライナ側は、ロシア側に位置を特定されれば、自軍の死者の証拠を隠滅するために空爆される恐れがあると警戒している。

 侵攻開始以来、ウクライナは2万人以上のロシア兵を殺害したと発表している。一方ロシアは3月25日に、大幅に少ない1351人が死亡したと発表したが、以後死者数は公表していない。

 これまでに、ロシア兵約200人の遺体が収容・保管されている。法医学捜査班によると、大半がキーウ郊外で見つかったという。

 遺体の収容活動を統括する軍幹部の話では、ロシア政府は遺体の返還に全く関心を示していない。一定期間が過ぎてもロシアが引き取らない場合、遺体はウクライナ国内に埋葬されることになるという。

「身元が判明した者はその名前で、また不明者は無名戦士として埋葬される」と同幹部は述べた。(c)AFP/David STOUT and Katya LACHINA