【5月15日 CNS】「中国ロック界の父」として知られる崔健(Cui Jian)氏が4月15日夜、中国のSNS「微信(ウィーチャット、WeChat)」のビデオアカウントを通じて、オンラインライブを開いた。ギター1本とマイクだけで4時間近く行われ、4400万回の視聴と1億回以上の「いいね」を集めた。61歳となる崔氏にとって初のオンラインライブだが、自身のスタイルは「まったく変わっていない」と強調した。

 中国演芸産業協会によると、コロナ禍により国内で延期・中止となった音楽イベントは2021年半ばの時点で2万回を超える。そんな中、中国のミュージシャンはインターネットを使って活動を再開している。動画共有サイト「ビリビリ動画(bilibili)」と独立音楽レーベル「摩登天空(Modernsky Entertainment)」が協力したクラウド音楽祭「宅草莓(Zhaicaomei)」が行われるなど、オンラインライブは新しい波を引き起こしている。

 音楽以外の文化でもオンラインが活用されている。中国東北部の遼寧省(Liaoning)では3月に新型コロナウイルスが拡大し、さまざまな文化施設が一時的に閉鎖されたが、遼寧省博物館が「オンライン山水画展」を実施するなど、各地の博物館がオンライン展示イベントを開催。市民は自宅で文化財や芸術作品を鑑賞することができた。

 京劇などの伝統戯曲もクラウドに活路を切り開いている。ショートビデオ投稿プラットフォームの「抖音(Douyin)」では2021年に80万本以上の戯曲が投稿され、累計視聴者は25億人を超えた。戯曲の投稿は若者の人気を集め、役者の収入増につながっている。

 東莞市(Dongguan)行政学院文化・社会教育研究学部の袁敦衛(Yuan Dunwei)教授は「コロナ禍は私たちの文化的生活を一変させたが、クラウド方式の誕生により文化産業に新たな地平が生まれた。新たなプラットフォームの成長は私たちの想像を上回っている」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News