【5月9日 AFP】スリランカの主要都市コロンボ(Colombo)で9日、政府に抗議するデモ参加者を武装した政府支持者が襲撃し、警察や国立病院によると与党議員を含む2人が死亡、少なくとも139人が負傷した。マヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapaksa)首相は同日、辞意を表明した。

 ラジャパクサ首相は実弟のゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領に対し、辞表を提出した。

 スリランカは、独立以来最悪の経済危機に見舞われている。数か月にわたり停電が頻発しているほか、深刻な食品・燃料・医薬品不足が起きている。数週間前からは反政府デモも行われていたが、おおむね平和的なものにとどまっていた。

 しかし9日になって、危機に陥って以降最大の衝突が発生。現場のAFP記者によると、首相と大統領のラジャパクサ家の支持者が暴力行為に及んだことが発端だった。

 警察は催涙弾や放水銃を使用したほか、コロンボに外出禁止令を発動。同令は即時発効し、その後対象地域が全国に拡大された。

 駐スリランカ米国大使は「きょうの平和的な抗議デモ参加者に対する暴力」を非難するとともに、「政府に対し、徹底的な捜査と、暴力行為を起こした人物の逮捕・訴追を求める」と表明した。(c)AFP/Amal JAYASINGHE