【5月9日 CNS】中国で「桜」をテーマにした商品が増え続けている。春になると、桜ソーダ、桜コーヒー、桜ポテトチップス、桜クッキー、桜ケーキなどの季節限定商品が販売され、「桜カップラーメン」などの変わり種も登場している。スーパーやコンビニには専用コーナーが設けられ、店内をピンク色に染めている。

 桜をイメージした衣料品、文房具などもあり、スポーツウエアブランド大手の李寧(Li Ning)は今春、衣類、帽子、靴、バッグの「桜シリーズ」を発表した。

 これらは中国で桜の花見がブームとなっている影響だ。若い女性らに人気のSNS「小紅書(Red)」で「桜」をキーワードに検索すると270万件を超える。中国桜産業協会によると、2019年に桜を見るため出かけた観光客は3億4000万人にのぼり、観光収入は600億元(約1兆1702億円)を超えた。今後はさらに市場規模が広がるとみられる。

 大手菓子メーカーの三只松鼠(Three Squirrels)が販売した桜をテーマとした商品は1か月足らずで売り上げが100万元(約1950万円)を超えた。オレオ(Oreo)の「春の花模様ギフトセット」やスターバックス(Starbucks)の桜模様のマグカップもオンライン販売で飛ぶように売れた。

 桜を銘打った商品はあくまでイメージであり、桜自体は「見るのは良いが、食べてもおいしくない」ものだ。ただ、日本の桜文化に影響を受けた中国の若い消費者層にとって桜は春を楽しむコンテンツとなっており、企業にとってはブランドの付加価値を高めることに役立っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News