【5月15日 AFP】英国ウィンザー(Windsor)の通りを、2頭の馬がビールだるを載せた荷車を引いていく。エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の在位70周年「プラチナジュビリー(Platinum Jubilee)」を祝う連休が近づく中、地元のパブは大勢の観光客を見込んでビールを大量に仕入れている。

 今月末には、女王在位70周年を記念して特別に造られたビール「カッスル・ヒル(Castle Hill)」が配達される予定だ。

「カッスル・ヒルという名前は、女王がウィンザーのカッスル・ヒルで即位を宣言したことに由来しています」と、ウィンザー&イートン(Windsor & Eton)醸造所のウィル・カルバート(Will Calvert)所長は説明した。醸造所の中は甘いモルト(麦芽)の香りが立ち込め、湯気がこもっている。

 王室御用達を示す認定証「ロイヤルワラント」を掲げる同醸造所が販売するのは、女王在位70周年記念の限定ビールだ。6月2~5日には、野外パーティーやコンサート、パレードなどのさまざまな行事が予定されている。

 テムズ川(River Thames)沿いのパブ「ボートマン(Boatman)」の店長、デニサ・フチノバ(Denisa Hucinova)さん(35)は「大勢の観光客と地元の人たちの来店を待ち望んでいます」と話し、「すごいお祝いです。70年ですよ。驚きですよね。その日を私たちも一緒に体験できるなんて、うれしいです」と語った。

「うちの家族はみんな女王が大好き」という観光客のサンドラ・ピンダー(Sandra Pinder)さん(61)。「素晴らしい方です。この国と国民のために生涯をささげてきたのですから」と話した。「懸命に尽くしてこられました。そんな方、他にはいませんよ」 (c)AFP/Pauline FROISSART