【5月8日 AFP】ボクシング、WBA世界ライトヘビー級タイトルマッチが7日、米ラスベガス(Las Vegas)のTモバイル・アリーナ(T-Mobile Arena)で行われ、王者ドミトリー・ビボル(Dmitry Bivol、ロシア)が判定の末3-0(115-113、115-113、115-113)で挑戦者の世界スーパーミドル級4団体統一王者サウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)を退け、王座を防衛した。

 ビボルが20勝(11KO)無敗を守った一方、戦前の予想では圧倒的に有利とみられていたアルバレスは、これでスーパーウエルター級時代の2013年にフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)に敗れて以来の黒星を喫し、戦績が57勝2分け2敗となった。

 アルバレスは昨年11月のカレブ・プラント(Caleb Plant、米国)戦の勝利で、史上初となるスーパーミドル級4団体統一に成功。またライトヘビー級は以前にも経験している階級で、2019年11月にセルゲイ・コバレフ(Sergey Kovalev、ロシア)から勝利を収めてWBOのベルトを獲得していた。

 しかし、この日はそうした快挙を再現できなかった。相手のガードをなかなか崩せなかったアルバレスに対して、ビボルは試合を通じて絶え間なく圧力をかけ、最後まで大きなダメージを受けなかったように見えた。

 ビボルは、何発ものパンチを吸収してあざになった上腕を示しながら、「彼のパンチで腕が痛い」と話し、「パワーを感じたし、それはこの腕を見てもわかるはずだ。彼は自分の腕は打ったが、頭は打てなかった」と続けた。

 この週末はメキシコの祝日で、同胞アルバレスの勝利を願って声援を送った会場のファンにとっては、非常に残念な結果になった。

 アルバレスは「彼は非常に素晴らしいファイターだ」と認め、「踏み込んできては離れるを繰り返された。非常にいい距離を保っていた。あれがボクシングだ」とコメントした。そして「彼は偉大なチャンピオンだ」と話し、「自分は負けた。彼の勝ちだ」と続けた。

 判定に不満は言わなかったアルバレスだが、再戦は希望した。ビボルも「リマッチ? 問題ない」と応じ、「話し合おう」と呼びかけた。(c)AFP