【5月7日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するドイツ人ドライバーのセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が、今季第5戦マイアミGP(Miami Grand Prix 2022)を前にAFPのインタビューに応じた。ベッテルは二線級に落ち着くつもりはないと話しつつ、通算4度の年間優勝を成し遂げた輝かしいキャリアの後のことも考えていると明かした。

 2019年のシンガポールGP(Singapore Grand Prix 2019)を最後に優勝から遠ざかっているベッテルは、現所属チームであるアストンマーティン(Aston Martin F1)のマシンが、古巣のフェラーリ(Ferrari)やレッドブル(Red Bull)に対抗できず、今季も開幕から不本意な結果が続いている。

 新型コロナウイルスに感染して開幕2戦を欠場した後、第3戦オーストラリアGP(Australian Grand Prix 2022)ではリタイア。第4戦エミリアロマーニャGP(Emilia-Romagna Grand Prix 2022)では8位に入ったものの、ドライバーズ選手権ではここまでわずか4ポイントにとどまっている。

 2021年に加入したアストンマーティンとの契約が今季終了後に満了を迎える中で、34歳のベッテルはこれまで以上に環境問題や社会問題に関心を示しており、レース後の人生にも思いを巡らせている。

「自分は勝つことに興味がある」と言うベッテル。「将来についてはまだ決めていないが、自分は味を占めてしまっている。以前にトップを経験して、それがどんなものか、そしてそれが最高の感覚だということを分かっている」と話し、「チームとしてトップを目指していたが、後塵(こうじん)を拝しているのが現状だ。それは秘密でもない」と続けた。

 チームと一緒に懸命に取り組んでいるが、「後方にいるのでは何も報われない」とも話し、「最初は気にならなかったが、トップ10圏外でフィニッシュするためにここに来たのではない。自分は勝ちたいんだ」と語った。

「何事にも競争心を持っている。料理をするにも完璧を求めるんだ。そうならないときは、どうすれば完璧になるのか考える」と話すベッテルは、生まれながらの競争者だ。それゆえにレースが悔しい結果に終わるたび、苦悩も大きくなる。

 それでも、「期待値をかなり高く設定している」中で、「以前と同等のドライビングができていないとは思わない。かなり進化しているし、経験のおかげで特定のことに対するストレスはない」と自信も口にした。

 今後の進路については、「テレビ解説者になる気はない。それはありえない」と断言。レースに対する情熱は残っているが、その道に進むことはすでに選択肢から完全に外していると明かした。(c)AFP/Steve Brenner