中国の宅配物が年間1000億個超える 世界の半数強、技術革新のたまもの
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【5月7日 People’s Daily】中国国家郵政局によると、2021年の中国の宅配物は1083億個に達した。前年比29.9%増で、世界の宅配物の半分以上を占める。
1083億個の宅配便は、海を越え山を越えて届けられている。チベット自治区(Tibet Autonomous Region)の標高4000メートル以上にある村にも、北方から最速5日で宅配物が届く。深セン市(Shenzhen)からロサンゼルスまでは航空便で翌日に荷物が届く。
湖北省(Hubei)では4年間の工事を経て、国内初の貨物専用空港である鄂州花湖空港(Ezhou Huahu Airport)で試験飛行が始まっている。1時間半のフライト圏内で全国の人口の80%をカバー。1晩で国内の主要空港に、1日で世界の主要空港に到着できる。2030年には年間貨物取扱量は330万トンとなる見込みだ。
宅配件数の増加は技術革新のたまものだ。スマート物流を手がける中科微至智能制造科技江蘇会社(Wayz Intelligent)は昨年10月、創立からわずか5年で新興ハイテク企業向け株式市場「科創版」に上場を果たした。配送システムを大幅に効率化するスマート仕分けシステムは多くの国家・地域に導入されている。
製薬会社アストラゼネカ(AstraZeneca)の無錫(Wuxi)供給拠点は、物流企業の順豊敦豪(S.F.DHL)と提携し、配送効率を大幅に向上させた。順豊敦豪が高架立体倉庫を管理したことで、アストラゼネカの出荷量は1日2000~3000箱から2万~3万箱にまで増えた。
国境を越えた物流サービスも広がっている。アリババグループの物流業務を担当する菜鳥網絡科技(Cainiao)は昨年11月、ベルギー・リエージュ、スペイン・マドリード、フランス・パリ、ドイツ・ブレーメン、イタリア・ローマ、ハンガリー・ブダペスト、ロシア・モスクワの7都市に物流拠点を設けた。さらに300機を超えるチャーター便を運航し、3万トン以上の配送能力を備える。中国の宅配業は海外進出を続け、海外拠点は240か所となり、総面積は200万平方メートル近くとなった。
宅配業の発展は製造業のコスト削減を促進するだけでなく、国産品の輸出を加速させ、多くの企業にチャンスを与えている。(c)People’s Daily/AFPBB News