【5月8日 AFP】2021年に米誌タイム(Time)の「今年の人(Person of the Year)」に選ばれたイーロン・マスク(Elon Musk)氏は、称賛と批判の両方を浴びるアメリカンヒーローとしてわが道を突き進んでいる。

 1971年、南アフリカ生まれ。17歳でカナダに移住し、奨学金を得て米フィラデルフィア(Philadelphia)で経済学と物理学を学んだ。米国の市民権も持つ。

 非常に優秀。大学院を中退し、1995年にシリコンバレー(Silicon Valley)で電子版のビジネスディレクトリを提供する新興企業Zip2を創業した。

 マスク氏は30歳手前で同社を売却し、最初の大金を手にしている。

 その後に設立したオンライン銀行X.comは、合併を経てペイパル(PayPal)となる。X.comは2002年、イーベイ(eBay)に15億ドル(約1800億円)で買収された。

 同年、念願だった宇宙事業に乗り出し、宇宙開発企業スペースX(SpaceX)を設立。

 同社は米航空宇宙局(NASA)の次期月面着陸機の開発企業に選定された他、宇宙飛行士ではない民間人のみで地球軌道を周回する史上初のミッションを実現するなど、数々の成果を挙げてきた。

 マスク氏の目標は、火星での都市建設だ。

 さらに電気自動車(EV)を手頃な価格で提供することで、自動車業界に革命を起こそうともしている。

 2008年、マスク氏はEV大手テスラ(Tesla)の最高経営責任者(CEO)に就任。同社はEV市場をリードする存在となっている。

 米誌フォーブス(Forbes)の2021年版世界長者番付によると、マスク氏の資産は2600億ドル(約32兆円)。世界有数の大富豪であり、ツイッター(Twitter)のフォロワー数は8000万を超える。

 アスペルガー症候群であることを公表。人工知能とニューロテクノロジーにも関心を示しており、脳とコンピューターをつなぐブレーン・マシン・インターフェースという技術の開発を進める新興企業ニューラリンク(Neuralink)を設立している。

 また、乗客を地下トンネルで運ぶ輸送システムを開発する企業、ボーリング・カンパニー(Boring Company)の創業者でもある。車両はテスラ社製だ。

 これまでに8人の子どもをもうけ(1人は死去)、Xと名付けられた息子やYと名付けられた娘がいる。(c)AFP