ロシア占領下の「悪夢」 生き延びたブチャ住民をさいなむ記憶
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■「数百年後まで記憶」
ジボトウスキーさん親子も同日、ブチャを脱出した。外出許可を得るため地下室から出た時、台所で恐ろしい光景に出くわした。3人の捕虜が頭に袋をかぶせられてひざまずき、両手を後ろで縛られていた。
ロシア兵には「親族の家に行くが、また戻ってくる」とうそをついた。なぜかは分からないが、ロシア軍は親子が共に家を離れるのを許可した。戻るという約束を守らなければ、家を爆破すると脅された。
「こんなこと、神はお許しにならない」とジボトウスキーさん。「私たちが生きているのは、たまたまだ」
生き残った住民の多くは、ブチャで起きたことの記憶にさいなまれながら生きていくことになる。
「どんな気持ちかって? 恐怖、ただそれだけだ」。自宅車庫の窓からヤブルンスカ通りで起きた蛮行を撮影し続けていたビクトル・シャティロ(Viktor Shatylo)さん(60)は語る。「悪夢。まさに悪夢だ」
それでも命懸けで撮影を続けたのは「子どもや孫たちに、テレビを通じてではなく現実として、起きたことを知ってもらえるように」との思いからだった。「すでに大勢がそれを目にした。数百年後まで記憶に残るだろう」 (c)AFP/Joshua MELVIN
