【5月5日 AFP】ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)のワディム・ボイチェンコ(Vadym Boichenko)市長は4日、市内のアゾフスターリ(Azovstal)製鉄所に立てこもっている同国軍部隊とロシア軍との間で「激しい戦闘」があり、ウクライナ側部隊との連絡が取れなくなったことを明らかにした。

 ボイチェンコ氏はウクライナのテレビ局に対し、市当局と製鉄所内のウクライナ軍と連絡が途切れたため、現地の状況や部隊の安否を知るすべがないと説明。ロシア側は重砲、戦車、戦闘機のほか、沿岸部に位置する製鉄所のそばに展開した軍艦も使用し攻勢をかけていると述べた。製鉄所内には周辺住民ら「数百人」の民間人がおり、30人以上の子どもが救出を待っているという。

 国連(UN)と赤十字国際委員会(ICRC)によると、製鉄所からはこれまでに民間人100人以上が避難した。ウクライナ軍は3日、ロシア軍がその後、製鉄所への攻撃を再開したと発表。ロシア側も当初、大砲と航空機を使って製鉄所を攻撃したことを認めていたが、ロシア大統領府は4日、製鉄所への攻撃を否定した。(c)AFP