【5月4日 AFP】アルゼンチンの古生物学者チームはこのほど、サンタクルス(Santa Cruz)州で発掘された恐竜の化石が、当時の頂点捕食者だったとみられるメガラプトル類の新種のものであることが判明したと発表した。これまでに発見されたメガラプトル類としては最大級。

「マイプ・マクロソラックス」と名付けられた恐竜は、体重6トン、全長9〜10メートル、胴体の幅は1.2メートルと推測される。前足に鋭く湾曲した2本の長さ約40センチのかぎ爪を持っていた。

 古生物学者のマウロ・アランシアガ(Mauro Aranciaga)氏によると、かぎ爪で小型恐竜を引き裂いて食べていたと考えられる。

 約7000万年前の白亜紀後期に、当時は熱帯林だったパタゴニア(Patagonia)に生息していた。

 マイプとは、パタゴニア地方の先住民アオニケンク(Aonikenk)の伝説に登場する「悪霊」の名前。科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に掲載された論文によると、アンデス(Andes)山脈を吹く冷たい風で凍え死にさせる「死の影」と関連づけられる。

 国立自然科学博物館(Argentine Museum of Natural Sciences)のフェルナンド・ノバス(Fernando Novas)氏は、マイプは恐竜が絶滅した約6600万年前に地球上に存在していた最後のメガラプトル類の一種だと説明した。

 アランシアガ氏によると、マイプはメガラプトル類としては、最も南で発掘された。(c)AFP/Liliana SAMUEL