【4月30日 AFP】米国防総省高官は29日、ロシアによるウクライナ東部ドンバス(Donbas)地方制圧作戦について、予定より数日遅れているとの見方を示した。

 同高官は会見で、ウクライナ軍の激しい抵抗と首都キーウ制圧失敗の影響で、ドンバス地方のロシア軍の進撃速度は遅く、ばらつきがあると述べた。

 さらに、ロシア軍は補給線から離れて前進することをやや警戒しているとして、「キーウの二の舞いを避けようとしている」と指摘。ロシア軍は「予定より少なくとも数日は遅れている」との見解を明らかにした。

 ロシア軍は短期目標としては、ハルキウ(Kharkiv)とドネツク(Donetsk)を結ぶ地図上の線よりも東側の地域の制圧を目指していると戦場アナリストはみている。

 米国防総省によると、ロシア軍は現在、ウクライナの東部と南部に92の大隊戦術群を配備し、国境の自国側にさらに多くの部隊を集結させているが、2か月に及ぶ紛争の初期に大きな失敗を重ねたため、必ずしも大隊戦術群としての戦力を維持しているわけではないという。

 西側諸国は、ウクライナへの大型兵器の供与を進めているが、兵たん面の問題と、取り扱いについてウクライナ兵を訓練する必要性から、新たな装備の大半はまだ前線で活用されていない。

 米国防総省高官は、ウクライナにさらに多くの兵器と訓練要員を送る上で、ロシア側と銃撃戦が起きる可能性もあると述べた。(c)AFP