【4月29日 AFP】ウクライナのイリーナ・ベネディクトワ(Iryna Venediktova)検事総長は28日、ロシアが侵攻を開始して以来、戦争犯罪の疑いがある事例を8600件特定したと明らかにした。

 ドイツの公共放送ドイチェ・ウェレ(Deutsche Welle)に対し語った。加えて、戦争犯罪関連の事例が4000件あると説明。民間人の殺害、民間施設への爆撃、拷問、性犯罪などが報告されているとした。

 証拠収集には保安庁や警察、外国の捜査官など8000人が従事しているとし、ロシア軍が占拠している南東部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)、東部のドネツク(Donetsk)州やルガンスク(Lugansk)州などでは現地調査ができない状態にあるが、避難してきた人々への聞き取り調査は可能だとした。

 裁判はウクライナ国内の裁判所で行う方針としているが、国際法廷で有罪判決を勝ち取れば、ウクライナ側にとって最も大きな勝利となる。ウクライナは国際刑事裁判所(ICC)非加盟だが、過去には管轄権を受け入れたこともあり、ICCでの訴追の可能性は残されている。(c)AFP