【4月27日 東方新報】英国の首都、ロンドンにあるフランシス・ホーランド・スクール(Francis Holland School)の小学生4年生の子どもたちはこのほど、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に手紙を寄せ、気候変動問題に対する中国政府の考え方を尋ねたところ、習主席からの返事が届いた。

 中国の駐英国大使館のホームページによると、鄭沢光(Zheng Zeguang)・中国駐英大使は4月21日、同校を訪れ生徒らの前に習主席の返信を英訳して読み上げたという。

 習主席は手紙の中で「地球は一つの大きな家族です。気候変動問題はその家族に対する挑戦だ。人類は一丸となった対応しなければなりません」と強調した。

 そのうえで、習主席は「中華民族は古来より自然を大切にしてきました。私たちは今、気候変動問題について真剣に取り組んでいます」と中国政府の姿勢を紹介した。

「中国の小学生たちは日常の小さなことから省エネ・環境保護を実行し、グリーンで低炭素のライフスタイルを学んでいます」とも言及した。習主席は最後に「皆さんはぜひ中国に遊びに来てください。世界最大の風力発電所と太陽発電所を見学することができます。また、中国の小学生たちとも交流し、グリーン発展の理念を心に刻み、将来、人類の美しい家の建設者になってほしいと思います」と述べた。

 フランシス・ホーランド・スクールは国際化教育を重視する女子校。これまでに海外との交流を積極的に展開してきた。習主席からの手紙の返事を受け取り、子どもたちはみんな喜んでいたという。

 習主席は、昨年5月、江蘇省(Jiangsu)の小学生たちにも手紙を送り、歴史を勉強する大切さを説いた。さらに2019年5月、マカオの小学生らに対し手紙で「大きくなったらマカオをより良く建設し、中華民族の発展に貢献してください」と励ました。

 実は、子どもと手紙でやり取りすることは、中国の最高指導者の長年の伝統でもある。今年73歳になる著名な俳優、王剛(Wang Gang)氏は10歳の時、友達との関係がうまくいかず、当時の毛沢東主席に手紙を書き、悩みを打ち明けたところ、約一か月後に返信が来て「勉強とスポーツに打ち込んでください」と励まされたという。「その手紙は自分の人生の中の一番の宝だ」と王氏は回顧録で振り返っている。

 中国メディアによると、中国の最高指導者のところに毎年、国内外から数十万通の手紙が届くという。そのうち返信がもらえるのは数通で、素朴な質問を素直に聞く子どもの手紙が選ばれやすいという。

 手紙の内容はその後、メディアに公開されるのが一般的で、特定の問題に対する中国政府の考え方を衆知させる狙いもある。政府広報の手段の一つともいえる。(c)東方新報/AFPBB News