【4月27日 東方新報】中国で生鮮食品をオンラインで購入する生活スタイルが広がっている。「スーパーに行かずにスマホで買い物」という時代。コロナ禍で大きな役割を果たし、2021年の生鮮EC(電子商取引)の取引規模は前年比27.9%増の4658億元(約9兆1305億円)に達した。同時に、品物を巡るトラブルも目立つようになっている。

 リアル店舗とECを融合している代表的な例が、IT大手阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)傘下の生鮮スーパーマーケット「盒馬鮮生(Hema Xiansheng)」だ。客がスマホで肉や野菜、魚などを注文すると、最寄りの店舗から配達する仕組み。半径3キロ以内なら最短30分で自宅に届ける。こうした自社ネットワークで完結するスタイルのほか、既存のスーパーが第三者プラットフォームと提携し、OMO(Online Merges Offline、オンラインとオフラインの統合)ビジネスに参入している。

 2019年までは生鮮ECサービスは必ずしも順調ではなかったが、2020年からのコロナ禍以降、利用者が一気に広がった。新型コロナウイルスを徹底的に排除する「ゼロコロナ」政策により、感染者が出た都市は厳しい外出制限が課せられる。最も厳格な封鎖管理措置の場合、自宅のドアを開けて外に出ても行けない。その場合は行政による食事の配給制度があるのだが、各家庭の人数や個別のニーズまで取り込んだ配給は難しいのが実態。そこで生鮮ECサービスが一気に広がった。

 封鎖管理された地域では利用者が殺到するため、注文が難しくなる。人気歌手のコンサートチケットを入手しようとするように、自宅にこもった市民が一日中、スマホの生鮮ECサイトでボタンを押し続けている。このため、ご近所同士や団地、地域単位で中国の代表的SNS「微信(ウィーチャット、WeChat)」にグループチャットを作り、団体購入をする動きが増えた。チャットの管理者が各参加者の要望をまとめ、大口の顧客として生鮮ECに注文。EC・スーパー側は配達員を分散して個別に配達させる手間が省けている。

 ただ、最近は「届いたジャガイモはすでに発芽しており、食べられたものではなかった」「『新鮮な活魚』というCMを見て注文したら、魚が死んでいた」「食品の量や大きさがサイトの表示と違う」という苦情が目立つように。「商品にばらつきがあるのは仕方がない」として返金に応じない生鮮EC・スーパー側の対応も問題となっている。

 上海市当局は1月、配達している食品の一部が安全基準を満たしていないとして、生鮮ECのプラットフォームに罰金を科した。3月には北京市海淀区(Haidian)の市場監督局がEC業者の倉庫を特別検査した。EC側は生鮮食品の管理・流通体制を見直すと表明し、対応に躍起となっている。(c)東方新報/AFPBB News