【4月27日 CNS】中国睡眠研究会などが発表した「2022年中国国民健康睡眠白書」によると、調査をした人のうち7割強が睡眠不足や不眠などの睡眠障害を経験していると回答した。

 回答者のうち、「最近の3か月間、週3日以上の睡眠障害がある」という人が12%、「週1~2日の睡眠障害がある」が59.5%を占めた。睡眠障害に苦しんでいない人はわずか26.3%だった。

 睡眠障害のうち、多いのが「眠りにつくのが遅い」「すぐ寝られない」。スマートフォンが「睡眠キラー」となっており、7割近くが夜遅くまで起きていることと関連している。 19〜25歳の44%は午前0時すぎまで起きている。61歳以上の42%は眠りにつくまでに30分以上かかり、不眠症の割合は21%と各年齢層で最も高い。

 19〜35歳の青壮年層は睡眠障害の比率が最も高く、「睡眠時間が5時間以下」という割合が他の年齢層より高かった。ストレスによる睡眠不足に苦しんでいるのは26〜45歳の年齢層が多かった。

 中国教育部は昨年3月、子どもが十分な睡眠時間を確保するよう求める「睡眠令」を発表。同年7月には宿題と塾通いを減らす「双減」政策を導入した。学校の宿題に上限を設け、民間の学習塾は実質禁止にしている。白書によると、これらの施策により小中学生の6割は睡眠時間が増加した。内訳は睡眠時間が2時間以上増えた子どもが9.4%、1〜2時間が 21.7%、0~1時間が28.9%だった。

 ただ、 教育部の「睡眠令」は小学生が10時間、中学生が9時間、高校生が8時間の睡眠を取るよう求めているのに対し、今回の調査では小学生は7.65時間、中学生は7.48時間、高校生は6.5時間だった。

 性別で見ると、睡眠障害のない男性は29%、女性は27.3%。女性の方がわずかに睡眠障害のある割合が高い。また、家庭のある女性の33%が睡眠時間は「6時間未満」と回答しており、睡眠不足が目立つ。家族の世話や仕事、子どもの学習指導が要因という。(c)CNS/JCM/AFPBB News